保護者版今どきのシューカツ
大学・短大や専門学校の通うお子さんをお持ちの保護者の皆さんは、「うちの子は、ちゃんといい会社に就職できるだろうか?」と気になっているのではないでしょうか?
ところで、「シューカツ」、「自己分析」、「エントリー」、これらの言葉をご存知ですか?現在の就職活動は言葉だけではなく、始める時期・流れ・方法も、保護者世代の時とはすっかり様変わりしています。
就職活動を乗り切り子供を社会人としてスタートさせるために、保護者として何をしたらいいか、相談を受けたらどのようにアドバイスしたらいいか、どんなサポートができるか、また、してはいけないことなどを保護者としての役割を考えていきたいと思います。
就職活動の流 れ
INDEX
【vol.1】就職活動、今昔物語
〜昨今の就活〜
【vol.2】企業の採用状況と子供とのコミュニケーション
【vol.3】“女性のキャリア・男性のキャリア”と“就職”を考える
【vol.4】お子さんから相談を受けたら
【vol.5】自己分析時期のサポート対策
【vol.6】エントリーシート作成時のサポート対策
【vol.7】面接時期のサポート対策
【vol.8】なかなか内定がもらえないお子さんのサポート


執筆者紹介
杉山 孝(スギヤマ タカシ)
(株)キャリア・クリエイト代表取締役

1958年 静岡市生まれ。
三重大学農学部卒業後、小売業、刑務官を経て、総合人材ビジネス会社に入社。当該グループでの18年、“求人情報誌の創刊”“人材派遣”“人材紹介”“再就職支援”等、人材ビジネスの実務家として実績を積む。1991年〜2001年、同グループ取締役。2002年、(株)キャリア・クリエイト設立。人材コンサルティング、キャリア形成支援(キャリアデザイン研修、キャリアカウンセリング)、高校生・大学生の就職指導等に携わる。個人の自立支援に力点をおいた就職・転職指導が好評。
NPO日本キャリア開発協会静岡地区部会 副部会長/CDA(キャリア・ディベロップメント・アドバイザー)/常葉学園大学 非常勤講師/静岡市産学交流センター プロジェクトマネージャー/(財)満井就職支援奨学財団 選考委員/(財)静岡産業創造機構 経営支援アドバイザー/AFP/2級ファイナンシャル・プランニング技能士。

vol.1 就職活動、今昔物語 〜昨今の就活〜
四半世紀以上も前に就職活動をして社会人となった私が、まさか大学でキャリア形成支援の授業を担当したり、多くの学生の就職相談にのる事になろうとは夢にも思わなかった。人生とは本当に不思議なものだ。
そんな私は、大学生の娘を持つひとりの親でもあり、先日、娘の大学の保護者懇談会に参加してみた。多くのご父兄が、「自分の時代とは全く違う現代の就職活動に、どう対応すればいいのか?」不安な気持ちいっぱいなのをヒシヒシと感じた。
本日は、ひとりの親として「子供の就職活動に、どう関与すればいいものなのか?」、みなさんと一緒に考えてみたい。

就職活動の目的は?
私たちの時代、就職活動における親からのアドバイスは、概ね「大きな会社が安心だ」「安定した会社を選びなさい」というものだったのではないだろうか。
企業と従業員の間に、「入社して、言われたことを真面目にこなせば、会社は最後まで面倒を見てくれる」という暗黙の了解があってこそのアドバイスだったのだろう。言い方を換えれば、「就職すること自体が、職業人生のゴールだ!」との認識に立ったアドバイスだったのかもしれない。当時の就職活動の目的は、明らかに『安定した会社に入社すること』だった。
時代は変わり、年功序列賃金・終身雇用慣行等を特徴とする『日本型雇用慣行』が崩壊したと言われて久しい。わかりやすく言えば、「会社は社員の年齢が上がったからといって給与を上げてくれるわけではないし、定年までの雇用の保証を約束してくれるわけでもない世の中になっている」ということだ。
未だに、『希望の企業の内定を得ること』を目的化する学生や保護者を数多く見かけるが、私自身は、現在の就職活動の目的は、『内定獲得』ではなく『職業人生のスタートラインに立つこと』だと思っている。

いい会社に入りなさい !?
就職活動中の学生と話をする中で、せっかく内定が出たのに、親から「希望の会社に入れるまでは、経済的な援助を惜しまない」とか「もっといい会社に就職しなさい」などと言われたという学生に出会うことは多い。保護者が、『いい会社』『安定した会社』に入ることを目的化していることが理由だ。中には、そのアドバイスを受けて就職浪人する学生すらいる。

ここにもいくつかの問題が隠されている。

1. 新卒での就職活動は、一生の内で一度しかない。
大学受験の様に、「1年目に合格できなかったら、受験勉強して再チャレンジ!」というわけにはいかない。昨今、企業の新卒採用方針は、『学歴重視』から『人物本位』に変化しており、『資格』の数や『優』の数が合否を左右するというわけではない。

2.『いい会社』『安定した会社』の定義は人それぞれ。
「規模が大きければいい」というわけでもないし、「有名だから、安心して働ける」というわけでもなさそうだ。

安定している会社・仕事って…?
とはいえ、保護者としては、子供が『安定した会社、安定した仕事』に就くことを望むのは当然のこと。では、どんな会社、どんな仕事が安定しているのだろうか?
最近、緩やかな景気回復の影響か、企業の新卒採用の動きが活性化、『空前の売り手市場』『正社員の雇用拡大』などという文字がメディアを賑わしている。
これらの記事を見て、『日本型雇用慣行の復活』などと思う皆さんがいるのであれば、それは認識不足かもしれない。
残念ながら、どんな業界のどんな会社も、未来永劫まで『安定している』『変化しない』などということはあり得ない。また、仮に万一、そんな会社があったとしても、志望動機を聞かれた時に、「安定した御社で、安心して仕事をしたい」などと言ったら、その瞬間に企業は「学生に対する興味を失う可能性が高い」ことを理解しておく必要があるだろう。
会社自体の安定を保証することが難しいのだとすると、子供にとっての『いい会社』とは、規模や知名度ではなく、「仕事を通してやり甲斐を感じることが出来る」「仕事を通して成長を実感できる」等、本人の主観による部分が大きいのかもしれない。

就活シーズンを迎えるにあたって…
今回は、第1回ということで、就活の概念的な部分の説明に終始してしまったが、時代の変化に伴い就職活動にも大きな変化が生じていることを理解していただけたのであれば幸いである。
昨今は、就職活動の早期化が加速度的に進んでおり、4年制の大学であれば3年生の、短期大学であれば1年生の秋口から具体的な就職活動をスタートすることになる。また、就職情報が氾濫する中、学生たちは、多くの情報から自分にあった情報を取捨選択しなくてはならない等、内定を得るまでの間に多大なストレスを受けることになる。
そんな中、私たち保護者が出来ることは・・・?
どんな状況にあっても『子供の心の声に耳を傾ける』という姿勢が重要だ。先行き不透明な現代、『今後の労働市場を予想し、的確なアドバイスを与えること』は誰にも出来ないが、子供の気持ちを尊重し精神的なサポートすることは、親だからこそ出来ることなのではないだろうか。

ポイント
就職活動の目的は、『職業人生のスタートラインに立つこと』
子供にとっての『いい会社』とは、「仕事を通してやり甲斐を感じることが出来る」「仕事を通して成長を実感できる」等、本人の主観による部分が大きい
『子供の心の声に耳を傾ける』という姿勢が重要

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