vol.07 エントリーシートを書くときのポイントは?
工藤佐紀子
(クドウ サキコ)

キャリアQS研究所主宰NPO法人仕事楽ネットワーク副理事長・NPO法人日本キャリア開発協会会員CDA

群馬県出身。総合化学メーカーの研究開発職に約11年間従事。結婚退職後に札幌へ転居。転職を考えCDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)を取得し、「高校生就職支援プロジェクト」のメンバーを経験。2003.4月から静岡市に在住し、大学生や高校生の就職支援・キャリア教育を中心に活動中。常葉学園大学、富士常葉大学、静岡福祉大学の非常勤講師。
 

就職活動の関門は、エントリーシートのような「提出書類」と、筆記試験や面接といった「採用試験」の2つといっていいでしょう。毎年学生の多くがこの2つに四苦八苦していますが、そこで気付いたことは「書類を出すこと・試験を受けること」だけを目的としていて「何のために」が抜けている、ということです。
そこで今回は、『何のためにエントリーシートを書くのか』を考えながらポイントを整理していきましょう。

エントリーシートの目的を考えよう!
履歴書は大学ごとの指定履歴書用紙(学内で販売されている)に記入するものですが、エントリーシートは「企業独自のフォーマット」で応募する書類です。
(参照 ・就活トラの巻き  ・就職活動 Q&A
導入が増加している理由としては、
【企業側のメリット】 
・webなどで誰もが入手可能となり、多くの学生に関心を持ってもらえる。→地域差、受検日、実績校などの制限がなくなり、幅広い人材確保が可能になる。
・企業が履歴書以外に聞きたいことや知りたいことなど設問を自由に設定できる。→
【学生側のメリット】
・受検の機会が広がる。・求められている人材像(能力をターゲット)などから、自分と企業とのマッチングを確認できる。
もちろんデメリットもあるでしょう。
企業としては書類提出という負荷を嫌う学生には対応しきれず、その結果欲しい人材が確保できなかったり、必要人数に達しなかったりするケースもあります。
学生としては提出時期が重なる、設問が答えにくいなどといった理由から、応募を断念することもあります。
ここが大事!
1.「提出する書類」と片付けない 2.双方にメリット・デメリットがある 3.エントリーシートには目的がある


評価される事を意識しよう!
「エントリーシート書き方講座」などを行うと、多くの学生が「仕上げる・書き上げる」ことを目的としていることがしばしばあります。普段の指導も「90%以上埋めること」とか「結論は先に、文章は短く」などといったものが多いせいでしょうか。学生がそれらを忠実に守った文章は、その学生の満足感を感じられはするものの、読み手には分かりにくい、読みにくい、アピールしていないものになっているケースがほとんどです。もちろん"素晴らしい!""さすが!"など時にはこちらが唸りたくなる逸品にも出会いますが、初期の段階では難しいようです。
ここが大事!
1.エントリーシートを書く際には、常に「読み手=採用担当者」がいることを意識しましょう。                           
2.相手を意識して、相手を思いやって、相手に分かりやすい文章で、自分がプラスに評価されるように


書く前に準備体操をしよう!
講座を行うときは、なるべくペアやグループになって「他者に話す」ことから始めてもらいます。このときは特に聴く側の人が重要になります。どうして?なぜ?とたくさんの質問をしてもらうことによって、
1.自分の伝えたいことがハッキリしてくる 2.相手に伝えるべきものが明確になってくる
書く前には、質問でよく使う「5W2H」を使っての"会話"や"対話"の準備体操がお勧めです。


設問のねらいを整理しよう!
エントリーシートは100〜500文字程度の設問が主流ですが、中には800〜1500文字など長文の場合もあります。小論文や作文、プレゼンテーションといった形式で、筆記試験を兼ねている場合もあるので注意しましょう。最近は100文字程度の設問がたくさんあるものと、長文形式との二極化が見られるようになってきました。
それでは設問を分類し、それぞれの狙いを整理してみましょう。
「自己PRや強みについて」 ×特技や長所は何か ○自分を客観的に捉えられているか
学生時代のこと ×何をやったか(アルバイト・サークル話のみ) ○経験から何を学び、何を得たのか
志望動機 ×精神論、自己実現 ○企業研究(業界や企業)、仕事に対する考え方や職業観
時事や教養 ×ニュースや出来事そのものの説明、〜べき論 ○興味をもった理由、自分の考え、自分の関わり方
発想力や感性、アイディア ×抽象的表現、現実離れ、独りよがり ○業界や企業と関係している、プラス思考、積極性
その他の設問形式としては、「上記の複合タイプ」や「自由題」などもあるようです。また業界によっても設問は違ってきますので、求められる人材像(能力をターゲット)や業界・企業研究もしっかり行って下さい!
何れにしても「評価される」ことと「相手に理解してもらう」ことを常に意識しましょう。


人に読んでもらうときの注意
書類の添削をお願いされるときに、最初に「下書きなので…」と言い訳をされることがあります。ですがちょっと待って!下書きの書類はやはり内容がまだまだなので、添削にもならないケースがあります。
1.他者に読んでもらうときは、「自分なりに精一杯書き上げたもの」を評価してもらうようにしましょう。 2.書けないときは「話を聞いてください」「質問してください」「相談にのってください」など、『会話』の準備体操に戻りましょう。


相手を意識して仕上げていこう!
さてこのようにして書きあがったエントリーシートは、Vol.5のサポーターの方に必ず読んでもらいましょう。そして文章そのものの修正だけでなく、色々な意見や感想をいただきましょう。採用担当者もいろいろな人がいます。人それぞれ捉え方が違うことを認識して、分かりやすい文章になるように、さらに推敲していってください



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